測定計測の基本と応用
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4-9輪郭形状測定機

輪郭形状測定機の概要

測定物の表面を触針でトレースすることにより、 その輪郭を拡大して記録する測定機です。触針は、真直度のよい案内部のスライダに保持されて前進または後退し、そして測定物の輪郭に沿って上下方向に運動します。現在は、角度・半径・段差をはじめ、架空点の算出や、設計値との照合計算なども可能となり、高精度座標測定機とも呼べる測定機に発展しています。

輪郭形状測定にまつわる用語解説

  • 追従角度

    スタイラスの送り方向に対して測定物の形状にスタイラスが上り、下りできる限界角度を追従角度といいます。スタイラス先端角度が12°の片角スタイラス(図)の場合は、上り77°、下り87°であるが円錐のスタイラス(30°円錐)だと、さらに限界傾斜が緩やかになります。見かけ上77°あっても上り斜面の表面粗さの影響によって、77°以上の斜面も部分的に存在するし、また、測定力にも影響します。

    無限遠補正光学系
  • スタイラス半径補正

    スタイラスの先端半径(0.025mm)により、記録図形は測定物の表面上を転がるボールの中心の軌跡となります。このスタイラスの先端半径をデータ処理上補正することにより、正確な測定値と、形状記録を得ることができます。
    記録計から輪郭形状をテンプレートやスケールから読取る場合は、測定倍率に応じたスタイラス半径値をあらかじめ補正しておく必要があります。

    スタイラス半径補正
  • 円弧歪

    スタイラスが円弧運動すると、記録図形のX軸方向に歪みによる誤差が生じます。円弧歪を補正する手段としては、①機械的に補正する方法②電気的に補正する方法③ソフトウェア演算によって補正する方法があります。上下方向に変位量が大きい測定物を高精度に測定する場合には、円弧歪補正が必要です。

    円弧歪

輪郭形状解析方法

  • 記録計

    測定された輪郭形状は、測定時の測定倍率に従って正確に(精度項目参照)記録計上に記録されます。記録された輪郭形状に対して、スケール当て読み取り、測定倍率で割って実寸法を得る方法と、あらかじめCAD等で作ったテンプレート{(実寸法±公差)×測定倍率}を記録図形に当てて比較測定する場合があります。どちらの方法も、読み取り誤差や、人による誤差は避けられないことを考慮しなければなりません。

  • データ処理部と解析プログラム

    測定された輪郭形状をリアルタイムにデータ処理部へ入力し、専用の解析プログラムでマウスや、キーボードを使って解析します。角度、半径、段差、ピッチ等は数値でダイレクトに表示され、また座標系を組み合わせた解析も簡単に行えます。記録図形はスタイラス半径補正をした図形からプロッタやレーザプリンタに出力されます。

設計値照合

図形に指示された寸法の解析より、むしろ”形”として設計データと比較し、その偏差を表示・記録します。また、マスターとなる測定物を設計データに変換して測定データの比較を行います。特に、その部分の形が商品機能を左右する場合、組み合わせ部品との関係で形が影響する場合には多く利用されています。

主な測定例

非球面レンズ形状測定
非球面レンズ形状測定
ベアリング内外輪形状測定
ベアリング内外輪形状測定
内歯車歯形測定
内歯車歯形測定
雌ねじ形状測定
雌ねじ形状測定
ネジ溝形状測定
ネジ溝形状測定
ゲージ測定
ゲージ測定

コラム メートルの原器 コラム メートルの原器
メートルの基準があるのをご存知ですか?
■1795年ニコライ・ルイ・ド・ラカーユの測定値に基づいて暫定的に「メートル」の長さを定め、黄銅製の仮の原器を作成し、1798年子午線測定に関する測量が、7年を経て終了し、1799年に白金製の正式な「メートル原器」が作成されました。

■メートル原器は、白金90%インジウム10%の合金で、X字形の断面をしており、原器を支える棒の位置まで決められていました。その形状は、発案者の名前から「トスカの断面」と言われています。メートル原器は、両端付近に楕円形のマークがあり、その中に3本の平行線が引かれていて、「0℃の時の中央の目盛同士の間隔が1メートルである」と定められています。1875年メートル条約が締結され、各国で使用するための原器が30本作られ、このうち、No.6の原器が国際原器に定められ、日本は、No.22の原器を1889年のフランスで受け取り、1890年4月に持ち込まれました。日本のメートル原器と国際メートル原器との差は、0.78umで、以前は8つの扉の奥に大切に保管されていたと言います。

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