測定計測の基本と応用
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4-6測定顕微鏡

測定顕微鏡の概要

一般的には、工場顕微鏡や工具顕微鏡と呼ばれていたもので、「観察顕微鏡」と、移動量を表示する十字動テーブルを組み合わせた顕微鏡のことを言います。
現在はデジタルスケールによる読み取りが一般的で、データ処理機(計算機)と併用する事で直径・角度・ピッチ・架空点の算出・座標系設定など、複雑で高機能な測定が可能となっており、測定対象物も金属加工品・樹脂成形品・刃物や工具・電子部品に至るまで多岐に亘り、簡単で高機能な非接触測定機として広く活用されています。
なお、被測定物を見えやすくするため、顕微鏡内部および測定台内部には反射照明灯がついており、必要に応じて点灯させます。また、測定顕微鏡の測定単位は多くの場合、0.005mm以下程度になっています。近年では画像ユニットとセットになっているタイプもでており、円の直径や外周、中心点、ピッチなどを自動測定することも可能です。

測定顕微鏡

測定顕微鏡にまつわる用語解説

レンズ
  • 開口数(N.A.=Numerical Apertureの略)

    開口数N.A.は対物レンズの分解能、焦点深度、像の明るさ等を決める重要な値です。開口数N.A.は次の式で表され、この数値が大きいほど高解像で焦点深度の浅い像が得られます。

    N.A.=n・SinΘ

    Nは対物レンズ先端と試料との間の媒質が持つ屈折率で空気の時はn=1.0となります。Θは対物レンズの一番外側を通る光線とレンズの中心(光軸)とのなす角度です。

  • 分解能(R=Resolving Powerの略)

    ごくわずかに離れた点または線を見分けることが出来る最小の間隔を分解能といい、解像限界を表します。分解能(R)は開口数N.A.と波長λで決まります。

    R= λ/2・N.A.(μm)   λ=0.55μm(基準波長)
  • 作動距離(W.D.=Working Distanceの略)

    焦点が合ったときの試料上面から対物レンズ先端までの距離をいいます。

  • 同焦距離

    焦点が合ったときの試料上面から対物レンズの取付け位置までの距離をいいます。

    有限補正光学系
  • 実視野

    (1)顕微鏡で観察できる試料の範囲(直径)
        実視野(mm)=接眼レンズの視野数/対物レンズの倍率
        (例)10Xレンズの実視野は2.4(mm)=24(mm)/10

    (2)TVモニタで観察できる試料の範囲
        実視野(mm)=CCDカメラの撮像素子の大きさ(縦×横)/対物レンズの倍率
        ※1/2インチCCDカメラの撮像素子の大きさは縦×横=4.8×6.4(mm)
        (例)1Xレンズの実視野は縦×横=4.8×6.4(mm)
            10Xレンズの実視野は縦×横=0.48×0.64(mm)

  • 焦点深度(DOF=Depth of Focusの略)

    顕微鏡で焦点を合わせたとき、その面の前後にピント面をずらしても、なお鮮明に見える範囲をいいます。開口数が大きいほど焦点深度は浅くなります。

    R= λ/2・(N.A)2 λ=0.55μm(基準波長)
  • 総合倍率

    「総合倍率」=「接眼レンズの倍率」×「対物レンズの倍率」

光学系
  • 無限遠補正光学系

    対物レンズと結像(チューブ)レンズを使って像を作る光学系を無限遠補正光学系といいます。

    無限遠補正光学系
  • 有限補正光学系

    対物レンズ単独で像を有限な位置に作る光学系を有限補正光学系といいます。

    有限補正光学系
照明系
  • 明視野照明

    対物レンズを通して垂直に照明し試料を観察するための照明方法です。

  • 暗視野照明

    対物レンズの外側から試料を照明し(光軸に対して傾いた光線で試料を照明する)傷のない平らな部分は暗黒で凹凸や傷のある部分のみが明るく輝かせて観察するための照明方法です。

画像ユニットの併用

画像ユニットとは、測定顕微鏡の対物レンズの拡大像をCCDカメラ・イメージセンサで撮像したモニタの像を使って測定するための装置です。次の様な特徴があります。

  • 接眼レンズを使用せず、モニタを見ながら測定できるため、目の疲労軽減効果があります。
  • 測定ポイントエッジを自動検出する機能を利用する事で、目合わせによる誤差を排除できます。
  • 測定結果や画像をPCに保存できるため、検査表作成、統計処理が容易に出来ます。
測定顕微鏡
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デジタルスケール付測定顕微鏡
デジタルスケール付測定顕微鏡
画像測定ユニット付測定顕微鏡
画像測定ユニット付測定顕微鏡

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